【東洋経済新報社/モノが少ないと快適に働ける/土橋正】モノマックス人間がミニマリズムを学ぶ

モノが少ないと快適に働ける

以前、土橋正さんのブログ運営術をお聞きして衝撃を受けたわたくしですが、それについての記事を書いたときに、「詳しくはこの本を参照してください」とご本人から紹介いただいたのがこの本です。

いやー、正直申し上げて、この本の存在はもちろん知っていましたし、読みたかったのですが、モノがどうしても減らない「モノマックス人間」なので、ずっと自分にとって「耳の痛い」ミニマリズムを避けてきたのです。

しかし今回、ご本人から読んでみてとお薦めいただいたのでは、読まないわけには参りません。思い切って読んでみることにいたしました。

モノが少ないと快適に働ける

ミニマリズムとは?

まず、その定義から確認します。

・「ミニマリズム」は本当に必要な部分だけを残し、それ以外の不要なものはそぎ落とした結果としてのシンプルさ
単にシンプルということではなく、ある哲学にもとづいて内側からにじみ出てきたシンプルさ

シンプルさについてのその人ごとの哲学、ということですね。

そして、それを実現するための土橋流ミニマリズムの原則がこちら。

「ためずに流れをつくる」
入ってくるスピードにあわせて出していく流れもつくらなければ、いずれはパンクしてしまう。

「器のサイズを意識する」
器を先に用意してしまうと、それに合わせて私たちは知らず知らずのうちにモノを入れてしまう。
(パーキンソンの法則:仕事の量は完成のために与えられた時間を満たすまで膨張する)

これを意識して、必要最小限ならぬ、「快適最小限」を目指す、というのがこの本のテーマです。
うーん、なるほど。環境整備学としての風水の考え方と同じですね。非常に興味深い。

さて、先に進みましょう。

この本は、土橋さんの考えるミニマリズムを披露しながら、それを遂行するためにベストな文具やツール、運用方法やルールを紹介する、という流れになっています。個々の文具チョイスや整理方法などは、本を読んでいただくとして、わたくしは土橋流ミニマリズムを形成するシンプルな言葉たちをピックアップしてみました。

空間について

土橋さんの机

土橋さんの机の上です。広くてすっきり。

広々としたスペースは、「余った空間」ではなく、「積極的につくった意味ある空間」である。

モノがないという空間がある。「モノ」を中心に考えると、「ない」となるが、「空間」で考えると、そこにはしっかりと「ある」。

(手帳の)空白は予定がないということではなく「人との約束がないという予定がある」ことだ。
つまり、自分との約束事であるタスクにじっくりと取り組める日である。

(本の購入は一冊ずつ)
空腹感を感じている方が食事をおいしく感じられるように、読書も適度な欠乏感があった方がいいと最近は考えている。

スペースも時間も、空いていることに意味を見出しています。

空いている部分を埋めてしまうと、常に余裕のない、追いかけるパターンの仕事ペースになってしまう。これはよくわかる。特に埋めることが仕事になってしまうと最悪です。逆に、日々のバタバタを一歩止めて、わざと「空き」を作ると、不思議なことになぜか良い流れになること、今までに幾度となく経験しています。頭ではわかっているのですが。。。

本質を振り返る

今、心から満足感が得られるのは「買う」時より、「使っている」時だ。

スケジュールは書き込むことよりも実行することの方が大切
自分がリストアップしたものをしっかりやりきるという点で、「リスト式」より「時計式」の方が断然効果的だった。

(読書の目的:「インプット」から「考える」ことへ)
受け身ではない「考える」という積極的な心構えになり、自分がどう感じ、どう考えたかを重視するようになった。
するとしだいに、読み終えた本への執着はなくなっていった。

仕事をするという目的。その場合の本質を見失ってはいけません。例えば文具には「コレクションする楽しみ」もあるので、時として勘違いしそうになりますが、いくら買ってもそれだけでは仕事は捗りません。

仕事では、あくまでも結果を出すためのツールであり、その本質が揺らいではいけません。ミニマリズムは、それを手助けするために非常に効果的な考え方だなと思います。

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アイデアをブラッシュアップさせる方法

シャープペンと万年筆は強弱がとてもつけやすい。
シャープペンは力の入れ具合で様々な表情の筆跡が生まれる。万年筆は力の入れ具合でインクの濃淡が違ってくる。
筆跡の強弱がつけやすいというのは、書く時の自分の感情をあらわしやすいということでもある。考えている時は感情が激しく行ったり来たりする。

GTD(Getting Things Done)
すべてのTODOを頭の中から出して、紙やデジタルなど信頼性の高いものにまとめ、頭は「記憶」ではなく「考える」ことに使うという考え方

明日の自分は別人であると考えると、明日以降の自分に完成度を高めてもらおうと思えるようになる。

まず、万年筆の件。シャーペンはほとんど使わないのですが、万年筆は字に表情が出るということで、相手のある書類はもちろん、自分がわかればよいものまで、最近は普段から仕事全般に使っています。共感。

そして頭には「記憶」させないという考え方ですが、記憶力が元来よくないこともあり、余計な記憶はしないと決めています。共感。

最後の「明日の自分は別人」ですが、これは先日、土橋さんのブログ運営方法をお聞きしたときに知って驚いたことなのですが、時間に余裕があっても、あえて翌日以降に次の作業をするという考え方。これは特にひとりで仕事をするときに、ダラダラしないためにすごく有効だと思いました。これも共感です。

考え方はかなり近いものがあった。

以上、重要ポイントと思うものをひとつずつ確認していくと、考え方として共感できないものはほとんどありませんでした。

そう考えると、土橋さんのようなミニマリズムを実現するためには、やはりあとはマメさだなぁと。(笑)

今まで敬遠してきたミニマリズムですが、今回よく理解することができました。仕事場でも自宅でも、ここだと思うところで取り入れてみたいと思います。

 

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