【三菱鉛筆/ユニボール R:E (アールイー)】消えるインクよりも、ノック=消し具が固定される機構に興味?

フリクションとアールイーの濃さ比較

まぁ、三菱鉛筆さんがジェットストリームで口火を切った、なめらか低粘度インクも、今やほとんどのペンメーカーさんが作っているわけで、今回の消せるジェルペン「アールイー」も、単にフリクションのマネという言葉では片付けたくないのですが、文具ファンのみなさまもいろいろ思うところはあるでしょう。

わたくしは文具を販売する身ですので、こういう時はなるたけ中立の立場で、お互いのいい部分をクローズアップしたいと考えていますので、アールイーに関しても、おもしろいと思う特長を、ちょっと書いてみたいと思います。

まずは消えるインクの比較

比べてはいけないとは思いつつも、どうしても並べて書かないとわかりにくいものですから、やっぱり比較してしまいました。

フリクションとアールイーの濃さ比較

アールイーが0.5のみですので、0.5で比較しました。

賛否両論あるところですが、ご存知の通りアールイーは最初から「赤」とは言わずに、「ローズレッド」のように色の名前をオリジナルでつけております。ですから、本来これは赤と比べるべきものではないのです。

それにしても、ちょっとピンクっぽい印象は否めないですね。名前がローズピンクならしっくりきます。でもボディの色は真っ赤だけに、ちょっと違和感のあるインク色です。

コバルトブルーとオフブラックは、パッと見でそんなに変わりませんが、書き出しでちょっとかすれたり二重線のようになってしまうことが多いですね。このあたりは今後の改良でよくなっていくと思います。

そして注目はノック部分の消し具!

アールイーはノック式

アールイーはノック式の消えるペンでして、フリクションのノックと違う点はノックがお尻についていること。(フリクションは側面のクリップでノックしますね)

そして、そこに消し具(減っていく消しゴムではないのでこう呼ぶらしい)が付いています。なぜかキャップが付いているのですが、これはノックのしやすさと、何か特許回避的な理由があるのかもしれません。

キャップをいちいち外すのは面倒なので、できればなんとかして欲しいところですし、実際に使い始めたらキャップは外しっぱなしだわーということは置いといて、注目したいのがここ!

ノックが引っ込まないから消せる!これすごい!

何気なくこの消し具を使い始めたわたくしですが、ノックということは、普通は押せば引っ込むわけです。でも、ひっくり返してこのように消すと、それはもう気持ちよく消える。

ひっくり返してこのように消すと、それはもう気持ちよく消える、、、

ノックが引っ込まない!

いや、おかしいでしょそれ。

ノックできるんだから、押し付けてゴシゴシしてたら、引っ込んでグダグダになるはず。しかし、

ひっくり返してこのように消すと、それはもう気持ちよく消せる。つまり!ひっくり返すとノックが固定されて動かなくなるのです。

確かに、ひっくり返すと、中で何か部品がコトンと動いているのがわかります。仕掛けだ!

ん?何このデジャブ感。

そうなんです。ゼブラのデルガードタイプERもひっくり返すと消しゴムが固定される仕組みでしたね。

詳しい機構は違うのでしょうが、考え方は同じです。ERが出たのが昨年の秋ですから、この短期間にコンセプトの似た技術がふたつも出るのは本当に奇遇ですが、文具ファンからすると、とってもおもしろいことです。

寝かせ気味でも大丈夫

ついでに、わたくしも意地悪だもので、この「コトン」と落ちてくる部品が落ち切らないうちに消したら、固定されないんじゃないかという実験もしてみましたよ。ゆっくり、そーっと、すんごい寝かせた状態で消してみる、、、

結果は、それでもあの部品はスッと落ちてきて、キッチリ固定されました。お見事です。

消し具の性能は?

ちなみにこの消し具、触った感じは少し硬いかなと思ったのですが、消してみるとこれがまたいい塩梅で、きれいによく消えます。(これはもちろん紙との相性でしょうから、一概には言えませんが。)

また、なんというか、紙まで巻き込んで擦らないというか、フリクションでたまに生じる「理論上、消しカスは出ないはずなのに何か消しカスっぽいものが出てる現象」がほとんど見られません。

この点はすごく評価できると思いますね。(しつこいですが紙との相性次第です。)

そして最後に価格。通常のタイプは180円と、ノック式のフリクションより50円安いです。これを消費者がどう見るか?この市場、どうなるか文具業界はちょっとドキドキしながら見守っております。

以上、現場から三菱鉛筆ユニボール R:E (アールイー)のレポートでした!

 

by カエレバ

 

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