以前、カミサンにプレゼントした栞がペン立てに刺さっていたので、久しぶりにまじまじと眺めてみる。
そして、おもむろに今読んでいる本に挟んでみる。
ふふふ、やはり楽しいですね。
ありえないものがそこに突然在るというのは、発想のひとつのセオリーですが、これがなかなかできないのでありまして。
もう、ナンセンスなくらいそういうアイデアがポンポンと浮かぶ人間になりたいものだと思い続けてもう何年経ったことか。やはり、歳を取っていろんな固定化されたものを毎日毎日見ることで、考えが硬直しているのを恐怖に感じます。
ちなみにこの商品はこうなっています。
船の方向舵のようなものが、本の中に挟まっているんですねー。
さて、、、この本。
少し前に亡くなった、岩崎俊一さんという伝説のコピーライターさんの本。
「街の財産、でもある。」「年賀状は、贈り物だと思う。」「英語を話せると、10億人と話せる。」「やがて、いのちに変わるもの。」「毎日ビールを飲んだ。それでも渇いていた。」「21世紀に間に合いました。」「あなたに会えた、お礼です。」などなど、わたくしのような門外漢でさえ強烈に覚えているコピーがそれはもうたくさん。広告の業界では、まさにレジェンドなのでしょうね。
今回あらためてこの著書を読んでみて思ったのは、その姿勢というか眼差しというか。本のタイトルにもあるように、どのコピーも「人々の幸福」を念頭に書かれていること。
そうでない会社はその存在理由はないとまで言い切っている。
岩崎さんのコピーって、そういう「北極星」を見ているからか、例えばビールなら、「毎日ビールを飲んだ。それでも渇いていた。」ってどこのビールメーカーでも使えるんですよね。決して個々の商品を売ろうとジタバタしない。(ように見える)
どうなんでしょうね、彼を雇う企業の側も、そういう余裕を持っていないとできない取り組みではないでしょうか?もちろん、テレビCMなどは、それに映像が加わるから、企業のイメージをちゃんと植え付けて、本来の目的もばっちり達成しているのでしょうが、こうして言葉だけで読むと、その何というか人に対する「愛」みたいなものがにじみ出ている。そこがすごいなと思いませんか。
文房具の業界でも、彼のコピーは光っています。
「ロケットも、文房具から生まれた。」(トンボ鉛筆)
うーん、キュンときますね。最近読んだ本の中で、一番刺さっている一冊です。彼のようなコピーは書けませんが、わたくしも相手の幸福を見つめて表現していこうと思いました。
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