前回、パスティの新作、クリアホルダーが出るということで、サンプルをお借りして自分なりに記事を書いてみたのですが、開発者さん当人からお話を聞くと、まだまだ知らないポイントがたくさんあり感服いたしましたので、追記的に第二弾を書かせていただきます。
ラッキーなことに、11/11の発売日当日の朝に、文具朝活会にプラスの開発担当者さんがいらして、プレゼンをしてくださるという機会に恵まれました。ありがたい!
繰り返しになりますが、開発されたのは、入社三年目の戸坂さんというかわいらしいお嬢さんです。(つまり、最初のパスティクリアファイル開発の大抜擢を受けたのは、新入社員の時!)右も左もわからない入社一年目から二年かかって、泣きながら作り上げた前作と違い、泣く回数は減ったそうですが、こだわりは増しているように感じました。
朝活の場には、ものづくり何十年というおじさま方もいらっしゃいましたが、口を揃えて「よくできている!」と太鼓判を捺していましたねー。
使う側はわからないこだわりポイント
ものづくりって、作り方を知らない素人(買う側・使う側)からすると、開発者さんがこだわりまくったポイントって、詳しくはわかりません。わからないけど、「なんか使いやすい」「なんかいい感じ」ということが多いと思うのです。
便利に使えれば、もちろんそれでいいんですけど、せっかくなのでこだわりポイントをいちいち教えてほしいではありませんか。
ということで、パンフレットには書かれていない細かな部分まで、思う存分語っていただきました!
一般的な商品ポイントは、前回のレビューを見ていただくこととして、今回はもっともっとクローズアップしていきます。
まず、クリアホルダーなんだけど、クリアじゃなくて乳白色な件。
女子高生、やはり完全に中身が見えるのはイヤだということで、見えそうで見えない、見えなさそうで見える、絶妙な半透明加減でこの乳白色にたどり着いたとのことですが、色や透明度だけではなくて、厚みもたくさん試作して、完成にこぎつけています。
クリアホルダーって、持ち運ぶだけではなくて、中身を保護する役割も大きいですから、強度も考えた全体の柔軟度合い、逆に硬さをどこまで残すかなど、こだわりポイントはここだけでもかなりの数になったようです。
また、端っこに少し段差というか間があるのがおわかりでしょうか。これで開きやすくなりますよね。よくあるクリアーホルダーって、半円状の切り込みが入ってますが、あれってあんまりスマートじゃないし、あの部分にピンポイントで指をかけないと開けにくいという理由で、却下だそうです。かっこいー!
そしてさらに、表面加工も工夫されています。
一般的なクリアホルダーは、表面がツルツルです。そのため、指紋汚れなどが目立ちやすい。JK的には、これはNGですねー。だから、テカりを抑えたマットな表面にしたのだそうです。
仕事が丁寧というか、細やかですよね。でもここまでやってるからこそ、女子高生にサラッと「このファイル、なんかよくね?」と言わせるのかもしれません。
また、ギミックというか、新発想というか、この新作パスティの最も目立つ部分である、一番上にあるベロ状のフタですが、これは内側へ折り込んでもひとつ機能を発揮します。
下手な写真で恐縮ですがお分かりになりますでしょうか。ホルダーの中で、間仕切りになっちゃうのです。(・∀・)
文具ファンはこういうのマックス大好きですよね。女子高生がこういう使い方に「!!!」ってなるのかどうかわかりませんが、このホルダーのおもしろさは、この何層にもなる仕組みだと思いますので、広く知っていただきたいポイントであります。
使う側は決して意識することのない、製造上の工夫のお話もしていただきました。
パスティのシンボルである、扇状の重なり部分ですが、クリアホルダーの場合は上下のパーツとなります。
下で受ける部分は、書類の負担をもろに受けますので、後ろから回り込んでがっつり溶着、しかし、角の部分はR(丸み)をつけるのがパスティの鉄則ですので、こんなこなしになりました。このパーツは上の方にもこだわりポイントがあるのですが、細かすぎるので今回はスルーです。(笑)
そして、上のフタのほうは、柔軟性と押さえの働きを出すために、回り込まないで、そのまま重ねての溶着になっていますねー。両端に溶着の強度をキープするための切れ込み部分がありますが、これの角度も、技術の方に何度も何度も試作をお願いして、ベストを引き出したとのこと。
普通に製品を買っていたら、まず気が付かないポイント。それが知れて、ちょっと得したような気になりました。
価格にもこだわりが。
価格も、女子高生にお小遣いの金額などリサーチして、さらに「こういう製品だったら、いくらなら買う?」というドキドキな質問などを重ねて決定。
A4が220円で、B5が180円。(税抜)
実際、オフィスでクリアホルダーというと、アスクルなどで無地のものが激安競争になっていますので、おじさんにはわかんない世界だったのですが、女子高生はじめ若い人たちはクリアホルダーの相場が違うんですよね。
好きなアイドルのグッズ、アーティストのコンサートグッズ、キャラクターグッズの業界のクリアホルダーは、200円が標準価格。ですから、あれだけの機能があって、かわいくてというパスティのクリアホルダーは、「全然高くない」のです。なるほど!
シリーズものって、最初のものが一番よくって、二弾三弾とだんだんビミョーな完成度になっていくものが多いですが、これは本当によくできていますね。ある意味、前回のクリアファイルを上回っている!と思いました。どうやら、次回作もあるようですし、戸坂さんの女子高生向けプロジェクトから目が離せませんね。