【マックス/マックス針】ホッチキス針は古紙の再生工程で支障ありません。

マックスのホッチキス針

マックスのホッチキス針

総務からホッチキスの針を外して紙ゴミコーナーへ出すように言われている方へ

古紙の溶解工場(多くは製紙工場でもある)では、紙を水と混ぜてドロドロに溶かす大きな窯(パルパー)の中で、金属などの異物は沈んで分離され、それはそれでリサイクルされるので、外す作業は時間の無駄ですよと教えてあげましょう。 

という投稿をSNSにしたら、「知らなかった~」という声をたくさん頂戴したので、以前リサイクルの仕事もしていた文具業界の人間としてはお役に立てて良かったです。

そのときのコメントで、これもお知らせしておいた方がよいなと思ったのが、窓付き封筒などのプラスティック素材ですね。

これも、製紙工場の設備によっては、こうした「いろんなものを分離して最後に残ったゴミくず(残渣物)」も、焼却して熱に変え、発電して売電する、という100%リサイクルができるのですが、一般的にはプラスティック部分は分別して欲しいという工場のほうが多いようです。

>>東京都製紙原料協同組合による禁忌品の見解

少量なら大丈夫かなと思って、わたくしも甘い部分があるのですが、分別できるものは、なるたけ分別したいものです。

ホッチキスは商標なのでステープラーと呼ぶべきだ問題について

上の、マックスさんの注意書きに「ホッチキス針」という記述があったため、「ホッチキスはマックスの商標ではないのでは?」というようなコメントもいただきました。

これについては、かなり多くの方がなぜかそう思い込んでいらっしゃるようですが、実はホッチキスの商標を持っている会社は存在しないというのが事実です。

「イトーキ」さんに問い合わせました。お客様相談センターの担当者から伺った解答は衝撃的なものでした。

「商標については社の正式な記録としては何も残っていません。ネットでは“大正6年に弊社が商標を買い取って登録した”というようなことも書かれていますが、弊社にそのような記録は残っておりません。従って、失効ということ自体も記録にありません」

つまりは、「ホッチキス」は昔から登録商標ではなかったということなのです。

>>「ホッチキス」という名称を巡る意外な事実【鴻上尚史】

結局、JIS規格上では「ステープラ」、NHKでは「ホチキス」など、一般名称化したホッチキスについては、カオスな状態にあるようです。まぁ、ゆるくいけるのでしたら、こういうのはゆるくありたいものですね。

文具業界でも、マスキングテープの略称である「マステ」を登録商標として取得した会社さんがあるようですが、何をされたいのかよくわかりません。