【ミラクルエッシャー展】文具ファンは紙とインクの乗りを凝視せよ!

6/6(水)に開幕となるミラクルエッシャー展の内覧会にお邪魔してきました。今回、Mozu君の錯視トリックノートと錯視トリックふせんをミュージアムショップで販売していただくことになりまして、お招きに与った次第です。(写真はノートの90度起き上がる虹を撮るMozu君)

エッシャーというと、多くの方の頭に浮かぶのは、きっとこれですよね。

わたくしも幼い頃、夢中になって水の流れを指でなぞったものです。

そしてこちら。

パッと見、普通の絵として成り立っているのがすごいですよね。でもよく見ると矛盾だらけ。

ザ・エッシャーという感じです。

150点の圧倒的作品群

さて、エッシャーは錯視、だまし絵(トロンプ・ルイユ)の大家として知られていますが、それだけではない多面性を今回ガツンと思い知らされます。

特に、イタリア各地の風景(エッシャーはオランダの人ですが奥様がイタリア人)を緻密に描いた作品群は新鮮です。しかも制作のペースが速い!ものすごいエネルギーを感じますね。

他にも、宗教画や広告画など、知らなかった分野をたくさん見られてお腹いっぱい大満足であります。

エッシャーは版画家である

そして、忘れてはならないのが、エッシャーは版画家であるということ。

あの繊細で緻密な絵を見て、(見る人が見ればすぐにわかるのでしょうが)わたくしなんかは版画というイメージが湧きません。

しかし、彼は一生涯版画家であり、刷りまですべて自分一人で行っていました。つまり、印刷です。

木版画、リトグラフ、メゾティントなど、いろんな版画の手法にチャレンジし、作品としての「印刷物」を残しています。

そう、わたくしたち文具ファンの大好物、全部印刷物なんですこの展覧会は!

生誕120周年のエッシャーですから、時を経て黄変している紙も多数ありましたが、インクをよく吸いそうな味わいのある紙、そして乗っているインク!じっくり近くで堪能することができます。

これも版画とは、、、ついついモチーフや構図のアイデアに目がいってしまいますが、驚きしかありません。

敷き詰め(繰り返し模様)

そして、敷き詰めです。

例えばこういうものですね。当時、ほぼエッシャーしか取り組んでいなかったこの分野、今では数学者の研究対象にもなっている学問ですが、彼はそういう教育は受けていなかったというのもびっくりです。

そしてこの作品。完璧すぎてため息しか出ません。美しい。

今回は、彼が正則分割と呼んでいるこの手法の集大成ともいえる《メタモルフォーゼⅡ》が見られます。

4mにもおよぶ大作で、黒と赤と白、グレーのコントラストによる循環、永遠というメッセージが突き刺さってきます。特に赤の鮮やかさが際立っていました。

これはぜひ実物を見ていただきたいです。

>>ミラクルエッシャー展

ミュージアムショップで買ったグッズや、絵の中に入れる体験コーナーのことは、また追って書きますね。